初めてマヤコフエイジと遭遇したのは2010年、神戸アートビレッジセンターのギャラリー（KAVC）、「増殖しつづける恐怖のオブジェ」とタイトルをつけられた個展会場である。

マヤコフエイジは、広い会場にひとり黙々とプロジェクターを操作し、壁面に自作の映像を流し続けていた。アニメーション作品「ブラックボードの解剖学」では精子と卵子が出合い、細胞分裂を繰り返しながら、人間創成の過程を、自ら描いた図像で展開していく。

想像（あるいは妄想）のなかで、マヤコフは数千枚のドローイングを描き、映像作品として仕上げた。その素材となった図像は、黒板にチョークで描かれた板書のようであり、文字と図版がさながら中世の解剖学書のごとく混じりあっている。1975年、大学生の時から映像作品をつくり始めた。パソコンもスマートフォンもない時代。アニメを作ろうと思えば、写真か手書きの図像を8ミリフィルムにワンショットずつ焼き付けていくしかなく、途方もない作業が必要だったという。

マヤコフエイジは2010年以降、「金属畑でコンニチハ」（2011）「光と映像」（2012）「ペインティング」（2013）「木と紙のオブジェ」(2014)と絵画、画、写真、テラッコッタ、紙と木のインスタレーションなど、多人格的な作品を発表し続けている。

2015年の神戸プラネットEarthでの4人展、「それぞれの水位」（向井修一企画・近松素子・和田直子・糸川知佐）では、現代俳句俳人、夏石番矢の俳句集「ターコイズミルク」とのコラボレーションをはじめとした映像作品が一日中、流され続けた。ここ数年、舞踏、ダンス、即興音楽など他ジャンルの友人たちと、自作映像を重ねる交流公演を積極的に行っている。場の持つ緊張感と、瞬時に始まり終わる緊張感が新しい地平を見せてくれるのだという。

マヤコフエイジが、本名・小山英治を名乗るときの姿は「眼科医」である。
マヤコフエイジは、これから、どんな映像を私たちの網膜に焼き付けてくれるのだろうか？

1955年生まれ
1982年京都府立医科大学卒業

1975年頃より油彩、写真、アニメーション等創作活動を開始
代表作AZAMI(1980),ANIMATION WORKS(2002),BLACK LIGHT FILM(1986),ブラックボードの解剖学(2012)，ターコイズ・ミルク(2015）

2010年より神戸アートビレッジセンターにて個展活動開始、 写真、CG、インスタレーション、上映会行う。
最近はアニメーションという枠にこだわらず、いろんなジャンルとのコラボレーションが大事だと感じている。現在、パフォーミングアートを通じて即興映像の可能性について模索中。

1981年　『起き上がる12人の映像作家たち』　オルフェの袋小路主催
1983年　8mm映像個展　於：京都 FREE BOX
1984年　油絵個展　於：京都 FREE BOX
1991年　写真個展『原発の見える風景』　於：小浜市福井新聞ホール
1993年　写真個展『失われた時を求めて　クラッシック・カメラによるウィーン・ブダペストの街並』於：小浜市福井新聞ホール
1994年　フォークシンガー古川豪氏とのコラボレーション『原発の見える風景』スライドショー　中嶌哲演氏の好意により小浜市明通寺廚にて
2010年　マヤコフ・エイジ写真オブジェ個展　増殖しつづける恐怖のオブジェ　於：神戸アート・ヴィレッジ・センター
2011年　金属畑でコンニチハ　MAYAKOVⅡ コンピューターグラフィックスによる量子的黙示録　於：神戸アート・ヴィレッジ・センター
2012年　光と映像　マヤコフ・エイジ+森山雅夫+山下信子三人展　　於：神戸アート・ヴィレッジ・センター
2013年　岡山県立美術館創立２５周年記念『AZAMI』、『ブラックボードの解剖学』出展
同年10月 マヤコフ・エイジⅣ　ペインティングⅠ個展
同年12月 マヤコフ・エイジⅤ　ペインティングⅡ個展
2014年6月 マヤコフ・エイジⅥ　紙と木のオブジェ・インスタレーション
2015年9月 世界俳句協会大会に俳句動画“ターコイズ・ミルク”出展
2015年9月 グループ展“それぞれの水位”神戸プラネットEarth０７１４　
2015年12月　映像個展『映像の中のパフォーマンス』於：神戸アート・ヴィレッジ・センター
2016年4月15日　シアター・イン・ミュージアム(於：大分県立美術館)にて映像作品上映
2016.4.10 -Performance of sound,dance and visual-＠ スピニングミル 向井千恵(er-hu),臼井康浩(guitar)、L.Sakai(dance),コヤマエイジ(visual)
2016.6.26以心伝心＠難波屋 工藤冬里(piano)、
Oh Myunja(performance),コヤマエイジ(visual)
2016.9.4 Hada Benedito(from Berlin)＠ environmental zerogauge Osaka かつふじたまこ(melodian),コヤマエイジ(visual)
2016.!0.27 "マジカル・ケミカル・。パワーズナイト ＠UrBANGUILD Kyoto マジカルパワーマコ(technoprogressive),Kミカル・ミコ(acordion),Mesa of the lost woman(from France), 向井千恵(er-hu,dance),鈴木チカ(ryuteki),吉田崇(percussion,synthesizer),コヤマエイジ(visual)
2０１６.12.17 ＠難波屋 宮部らぐの(guiter),あたしよしこ(dance),コヤマエイジ(visual)
2017.4.22 " improvised.....in 細野" ＠細野ビルヂング 木村文彦(percussion),黒子沙菜恵(dance),コヤマエイジ(visual)
2017.4.29 Improvisation collective"打鈍"＠ マルコノスタルジ
2017.8.19 Sound,Vision & Motion ＠ environmental zerogauge 木村文彦 (percussion),あうん・ともこ(dance),豊田奈千甫(Electronics,drums),コヤマエイジ(visual)
2017.8.2 "Heatbeat Mosquito"＠酒遊館 宮部らぐの(guiter),あたしよしこ(dance),コヤマエイジ(visual)
2017.10.7 " improvised.....in 島之内i " ＠ 島之内教会 木村文彦(percussion),神高雅史(steelpan),黒子沙菜恵(dance),コヤマエイジ(visual)
2017.10.29 映像×JAZZ 〜 映像:コヤマエイジ piano 畠山ゆき bass 刀袮直和 drums 塩入基弘 ＠ 熊野神社 ZAC BARAN
2017.4.30 "地下室の幻想"＠t environmental zerogauge Osaka 俊山晶子(soundcollage),宮本隆(guitar),ユーロピアン・クラッチ、コヤマエイジ(visual)
2018.5.13 "Five Parallel Worlds"＠ 伊丹アイフォニックホール木村文彦 (percussion),廣樹輝一(piano),北村千絵(voice),植木明日香(dance),コヤマエイジ(visual)
2018.7.20 Animation Runs コヤマエイジ 監督特集　姫路シネクラブ ＠ブックカフェギャラリーQuiet Holiday

2018.12 個展 (city gallery 2320／神戸) ▶ instaration view　

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